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【一部ネタバレあり】映画『ドクター・スリープ』の感想・考察・評価:ハリウッド版スペックだねこりゃ

「おかえり、ダニー」

ということで、待ちに待った『シャイニング』の続編。

『ドクタースリープ』を見るために、早速映画館へ足を運んできました。

前作『シャイニング』から40年後の世界を描いた今作。

どのようにして”その後”が描かれていたのか。

不透明だったシャイニングの能力とは。

キング寄りの作品に仕上がったのか、キューブリック寄りに仕上がったのか。

ざっくりと感想を書いていこうと思います。(記事後半部分、ネタバレあり)

大人になったダニーと出会えて僕は満足です(にっこり)

『ドクタースリープ』のあらすじ

ダニーは、40年前の雪山のホテルの惨劇で、狂った父親に殺されかけたトラウマを抱えている。

大人になった今も人を避けるかのように孤独に暮らす彼の周りで児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が起きる。ある日、彼の前に謎の少女が現れる。

その少女は特別な力でその事件を目撃してしまったのだ…ダニーと少女はこの事件の謎を追う中で、あの惨劇が起きた『シャイニング』のホテルに辿り着く。

亡霊たちが巣食い、人を狂わせる呪われたホテルで起きる新たな恐怖。そしてふたりに待ち受ける想像を絶する結末とは―

引用:https://filmarks.com

前作はダニー視点で描かれる場面が多かった映画でしたが、今回もダニーを主人公にして描かれるストーリーになるんですね。

トラウマを持ったダニーの周りで起きる不可解な事件。

そこからの謎の少女と出会い。

やがてたどり着く、あの惨劇が起きたオーバールックホテル…。

改めてあらすじだけみても、ワクワクするような内容です。

前作はダニーの父であるジャックが凍死して、その後の状況が詳しく描かれないまま映画は終了しました。

あの後ジャックはどうなったのか。

そこから今作はどう展開されたのか。

ダニーの能力はどう活かされたのか。

『ドクタースリープ』を見るべきか気になっている人に向けて、ざっくりとネタバレを含まない感想を書いていこうと思います。

『ドクタースリープ』 ネタバレなし感想

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Twitterでも何度かつぶやいたように、今作はあの超有名ホラー映画『シャイニング』の続編に当たる作品ですので、私の中での期待値はマックスメーター超えだったんですね。

何度私がTwitter上でドクタースリープに関してつぶやいたことか。

それほどまでに期待しながら映画を視聴した後の最初に感じた感想は、

あれ?これハリウッド版スペックじゃね?

でした。

映画スペックを観たことがある方は確実にわかってくれる部分だと思います。

想像以上にスペックでした。予想以上にスペックでした。

前作の舞台であるオーバールックホテルが出てきたり、過去のシーンがリメイクされていたりと、シャイニングであることは間違い無いのですが。

今作は前作で不透明だったシャイニングの能力が表立って出てくるので、アクションシーンが多かった印象です。

キングの小説でありキューブリックの続編である今作ですが、前者が表立って出ていたように感じます。

前作とはまた違ったジャンルとして楽しめる作品になったと言えますね。

『ドクタースリープ』は怖かった?映画館で見ても大丈夫?

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ちなみに今作はTVでもCMを打ったりSNS広告を打ったりと、大々的に宣伝されています。

ホラー映画好きではない人でも、気になっている人は多いんじゃないでしょうか。

一方で、そんな方達の中にはホラー映画自体に慣れていない方も多いはず。

では『ドクタースリープ』は怖かったのか。

実際に観に行った感想から言うと、ホラー映画が苦手な人でも割と見れるんじゃないかといったレベルでした。

仮に怖さレベルがあるとするのならば、

怖さレベル:

といったところですね。

怖さの種類にもよりますが、呪怨やエクソシストのような気味の悪さはあまり感じられません。

一方で、驚かせようとする要素はとても多いです。

これは前作『シャイニング』でも感じた部分ですが、どんなに些細なシーンでも音を大きくしたりと、より一層ホラー映画に寄せてきた印象があります。

また、軽いグロシーンも一部あります。

血ぶっしゃー!ってほどではないのですが、割と生々しく描かれている部分もありました。

とは言っても映るのは短い間ですので、よっぽど苦手な方でない限りは耐えられるかと思います。

怖いと言えば、前作でジャックが全裸の女性に誘惑されるシーンのような、ちょっぴりえっちなシーンはありませんでした。

あのシーンを初めて見たときは驚きましたね…。

如何せん、モロ出しでしたから…。いろんな意味で怖かった…。

今作はモロ出しはないので安心してください。

https://www.futoshi-bibouroku.com/2019/11/30/doctor-sleep_zensaku/

『ドクタースリープ』 ネタバレあり感想・考察

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※ここから先はネタバレを含む感想です。

アブラ正義感強すぎ問題

とりあえず気になったのは、アブラの正義感強過ぎん?って部分ですね。

普通見ず知らずの野球少年が死んだだけで、あそこまで共感しないと思うんです。

まぁローズたちはもともと若い生気のある能力者の子供たちを狙っていたわけで。

より強いシャイニングを持っていたアブラとはいずれカチ込むことになることが必然でしたが、それにしてもですよね。

パパが殺されたにも関わらずローズを殺すことしか考えていない彼女。

強い正義感を持った人は、あそこまで突き抜けるとサイコパスに見えるんですね。

ドクタースリープの意味とは

ドクタースリープの意味は、患者たちが呼ぶダニーのニックネームを指します。

ホスピスの用務員として働くことになったダニーは、ある日患者の死にゆく姿を目の当たりにしましたね。

シャイニングの能力で死を悟ることができるダニーは、「私はもう死ぬ」と言い切る患者の枕元に訪れて、「眠りなさい、怖くないよ」と告げました。

死にかけの患者さんにそっと手を当てられ、「先生は”ドクタースリープ”だな」と言われるダニー。

死をむかえる患者の最後を見守るダニーの姿は、医者のようで死神のようでもあります。

おそらく死は眠りに例えられるため、ダニーは「ドクターデス」ではなく、「ドクタースリープ」と呼ばれたのだと思います。

前作ハロランと今作ハロランの扱いの差

前作ではダニーよりも弱いシャイニング能力を持ちながら、唯一のダニー以外の能力者でもあったハロラン。

おいおい嘘だろ!?なんて思わず声が出てしまうほどあっさりと死んだ彼でしたが、今作ではとても重要な役目を担いましたね。

冒頭のベンチシーンでは鍵となる箱を渡したり、8年ぶりの再開シーンを彩ったり、その後のダニーとアブラとの関係の先駆者となったり。

また、おそらく僕の記憶上では今作で唯一ダニーが笑ったシーンはこのハロランとの再開だけだった気がします。

それほどまでに、ダニーにとってハロランは心の拠り所だったんですね。

前作と今作との扱いの差に驚きです。

まぁ前作が原作を無視しすぎていた部分があるので仕方ないですね。

今作にも原作はあるのですが、うまくまとめられていたと感じたのは僕だけでしょうか。

結局ローズたちの正体ってなんだったの?

長い長い命が約束されている代わりに、人間の生気を吸うことでしか生きていけない亡者たち。

彼らは原作で”トゥルー・ノット”と呼ばれているらしいです。

今作は、この”トゥルー・ノット”との戦いがメインとして描かれていましたが、映画では彼らに関する説明は抽象的な言葉でしか表されていませんでした。

原作未読な方にとっては多少混乱した方もいるかと思いますが、まぁ彼らもホテルに巣食う亡者たちと同じ生き物と考えて良さそうです。

ラストシーンでは”箱”に閉じ込めていた彼らも、ローズと同じく生気を吸っていましたからね。

あまり思考能力はなさそうでしたが。

っていうかあのカルト集団、案外銃弾であっさり死ぬんだねって思いました。

事故って死んだ奴もいたよね。

あれ普通の人より死ぬの早いんじゃ無い?ってくらいのスピードで溶けていったよね。

変わらないホテルに親しみが…

やはり最後の戦いの舞台はオーバールックホテルでした。

何も変わらない雰囲気。物の配置。壁に開けられた大きな穴。

またかつての演出もオマージュされており、前作を観ておかないとわからない部分がたくさんあったと感じます。

一方、前作でキューブリックの真骨頂を思い知らされた左右対称演出が、今作では描かれていませんでした。

その分ホテル全体は前作よりも暗い雰囲気となっており、よりホラー映画寄りな作品になったかと。

ちなみにパパは最後の最後まで変わらないクズ野郎でしたね…。

ホテルに取り憑かれてしまったという現実を再確認したシーンでした。

結末としてホテルは全焼、ダニーがアブラの”先生”となる

最終決戦でオーバールックホテルを選んだダニーは、アブラを連れてオーバールックホテルへと向かいましたね。

色々と試行錯誤しましたが、あと一歩のところで作戦がバレてしまい太ももに大きな傷を追ってしまうダニーでした。

追い詰められた彼でしたが、皮肉にも自らの”箱”に閉じ込めていた亡霊たちを解放することによってローズを殺すことができましたね。

割と自由にハロランからもらった”箱”を開け閉めできていたダニーに、ちょっぴり感動です。

主人公感ありましたよねこのシーン。

その後ローズの生気を食べきった亡者たちはダニーに襲い掛かります。

おそらくこれもダニーは予想していたのでしょうね。

その後アブラに逃げろと言っただろ!と、ぼやいていましたから。

父と同じようにホテルに取り込まれ、父と同じようにアブラを追いかけるダニーですが、アブラの説得により正気を取り戻します。

父が追いかけていたあのシーンもオマージュするんだ…、と感慨深くなりました。

正気を取り戻したダニーは仕込んであったボイラー室の元へ。

計画通りボイラーから火が吹き、ホテルは全焼。

ダニーもホテルとともに亡くなってしまいました。

最終的な結末としてはダニーがハロランと同じようにアブラの「先生」となり、肉体を持たずしてアブラを見守る存在となります。

母に誰と話しているの?と聞かれるアブラ。

今まで自身に起こった出来事や、シャイニングに関して隠していた彼女でしたが、ちゃんとダニーの存在に関しては打ち明けていました。

そしてラストは亡霊風呂ババアに招かれるようにバスタブに入っていくアブラが映り、エンドロールです。

っていうか亡霊風呂ババアはどこの家にもいるんですね…。

ローズが言った、「最後の一人では無い」の一言を表しているのでしょうか。

ホテルは全焼させ、”トゥルー・ノット”も倒したが、亡霊風呂ババアがいたように彼らは完全に滅んだわけじゃ無いんだよって。

前作からの読み取りで、ただのホテルに巣食うババアかと思っていましたが、なにやらあいつも特別だったみたいですね。

おわりに

この映画は賛否両論、絶賛する方もいれば絶望する方もいる。

今後みなさんがつぶやく感想は意見が分かれるだろうなぁと感じました。

僕個人としては好きでしたし、覚悟していた150分も予想以上に短く感じました。

ただ欲を言えば、ラストシーンでは個人的にダニーもホテルに取り憑いて欲しかったなぁと思いますね。

燃えゆくホテルの中にポツリと落ちている一枚の額縁。

その写真の中央に佇むダニーの姿…。みたいな。

【参考にさせていただいたページ】
・https://hlo.tohotheater.jp/
・https://filmarks.com/
・https://natalie.mu/
・http://mijyukugo.fenecilla.com/doctor-sleep/